2020年3月31日

2020年3月議会報告

1.小・中学校の教員の確保について

4番(小城世督君)
私からは小・中学校の教員の確保について、まず質問をさせていただきます。 こちらは現在、全国的に教員、教諭が減少しており確保が難しい、この奈良県内、近隣市町村でも同じ課題の一つとして挙がっております。斑鳩町でも同様に小・中学校の教員確保が最優先の課題だと考えています。一例を挙げますと、斑鳩東小学校、産前産後休暇を取得した教員の補充がない状態で、代わりに教頭先生が授業を行っていると伺っています。なぜ早急に補充が行われないのか、教育を受ける子どもはもちろん保護者も不安であると考えます。補充できない原因と今後の対策について、お伺いいたします。
議長(坂口徹君)
山本教育長。
教育長(山本雅章君)
斑鳩東小学校の産前産後休暇を取得した教員の補充にかかるご質問でございますが、斑鳩東小学校では昨年12月に産前産後休暇を取得した教諭が1名おります。任命権者であります奈良県教育委員会に対しましては、その補充について所定の手続を行っておりますが、現時点においても補充が行われておらず、代わりに教頭等が授業を行っているところでございます。通常、産前産後休暇取得の代替が臨時講師を充てることとされており、この補充が行われていないことにつきましては、これまでも再三にわたって県教育委員会に申し入れを行っております。県教育委員会においてはあらゆる手段を講じて代替の講師を募集しているところであり、また、本町におきましてもできる限り早期に補充を行うことができますよう、学校関係者を通じるなど臨時講師候補者の確保に努めているところでございます。なお、こうした状況は近隣市町におきましても同様であると伺っております。 この補充が行われていない要因につきましては、教員のなり手が不足していることが考えられます。まず、全国的にここ数年の教員採用試験の受験者数は減少傾向にあり、奈良県教育委員会の教員採用試験におきましても同様に受験者数は減少しております。それぞれの年度により採用者数も変わってきますので一概には言えませんが、受験者数が減少するということは教員の不足に加えて臨時講師の不足にもつながってまいります。 また、こうした背景に加えまして産前産後休暇の代替という年度途中からの臨時講師の採用という条件からも代替の臨時講師が見つからないという状況になっているものと考えております。今学期につきましては、感染症の拡大対策により臨時休業となっておりますが、代替の臨時講師を安定的に確保していくことにつきましては、今後も県教育委員会に働きながら取り組んでまいりたいと、そのように思っております。以上です。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。再三、行っていただいているということで、今後も引き続きですね、県教委に働きかけをお願いいたします。 その中で、今、ご答弁いただきました臨時講師が見つかるまでの策ということで理解はできますが、教頭先生が授業を行うということで、教頭先生が職員室に不在の時間がある、長時間生じるということと、学校長の代行業務や学校運営にかかわる案件等に教頭先生は深くかかわってると思いますが、その辺に不安を感じます。そのあたりの対策については教育長のお考えをお聞かせください。
議長(坂口徹君)
山本教育長。
教育長(山本雅章君)
今、議員お述べのように、今現在、教頭がまた他の教員と連携しながら取り組んでいるというのは正常な状況とは把握しておりません。従いまして、早急にそういう状況は回避したいと。ただ、東小学校の先生方の教師集団の取り組みというのは保護者のほうからも高く評価されているところであります。そういうことにつきましては、本当に地域の保護者の皆さまのご協力を得ながら、学校が体制を整えているというように考えております。以上です。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。教頭が不在ということでやはり運営面が不安になるということで、そのあたり教育委員会も協力しながらしっかりと早急に対策を講じていただきますようよろしくお願いいたします。 次にですね、教員の受験者の減少というご答弁をなされましたが、町教育委員会としてはどのような取り組みが考えられますか。
議長(坂口徹君)
山本教育長。
教育長(山本雅章君)
議員のご質問でございますが、教員採用試験受験者数の減少の要因につきましては、厳しいといわれる教員の労働環境から教職の人気が低下していると考えられます。採用試験の実施主体は県教育委員会ではございますけども、町教育委員会といたしましては教員の労働環境を少しでも改善し、教職をより魅力的な職場にしていくことが肝要であると考えております。現在、教員の働き方改革を推進しているところでございます。例えば、校園長会を通しまして校長等の管理職が、各教職員により効果的な効率的な業務の推進を促すとともに教職員の意識改革に努めたり、また授業や学校行事に関する各種調査、統計につきましては学校に照会しなくても教育委員会で回答を行ったり、また、教育委員会が福祉部局等との関係機関と連携することによりまして円滑に児童・生徒への指導を行うなど、事務的、実務面におきましても学校現場の負担軽減に努めているところでございます。さらに現在、奈良県におきましては統合型校務支援システムによる市町村全体のネットワークの構築が進められており、校務の効率化が期待されているところでございます。また、教員の時間外の業務をできる限り少なくしていくことから、保護者の皆さま方には教員の勤務時間や学校の施錠時刻、業務改善の取り組みなどをお伝えし、学校への連絡はできる限り勤務時間内にしていただくなどの協力をお願いすることも必要であると考えているところでございます。以上です。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。そうですね、この教員、今、採用試験、人気がないと言うとあれですけども、受験をする方が減っている。こういったことから定年された方であったりを臨時講師で招いたりという、奈良県内でも他町村ではありますが、70歳の先生が担任を行っているという学校もあるそうです。こうした他市町村の取り組みも、事例などもしっかり把握していただき、奈良県内、奈良県教委への働きかけももちろんですが、しっかりと確保を促していただくようお願いいたします。 そして、奈良県のこの施策を導入していただくことはもちろんですが、斑鳩町の教育委員会も斑鳩町にしかない歴史や文化を活用し、ほかにはない魅力的な職場をつくっていただき、斑鳩町にしかない質の高い教育を子どもが受けられる3小学校、2中学校にしていただけるよう引き続き、よろしくお願いいたします。

2.ICTの普及による今後の学習指導について

4番(小城世督君)
ICTの普及による今後の学習指導についてお伺いいたします。 Wi-Fi等の整備が行われ、ICTの実用化が現実のものとなりました。タブレットが各生徒1台の支給とあります。授業での活用方法と読む、書く、話す、聞くといった言語活用能力を養う従来の授業とのバランスをどのようにお考えかお伺いいたします。
議長(坂口徹君)
山本教育長。
教育長(山本雅章君)
ICTの普及による今後の学習指導に関するご質問でございます。令和2年度から実施されます新学習指導要領におきまして、ICTを活用した情報活用能力を言語能力と同様に、学習の基盤となる資質能力と位置づけ、各教科等の特性を生かし、教科等横断的な視点から教育課程の編成を図るものとする、と明記されており、その中にコンピューターや情報通信ネットワークなどの情報手段を活用する学習活動や情報活用能力を育成するために充実すべき学習活動等が示されました。 この中で、一斉学習ではデジタル教材を活用し、例えば、算数の図形問題などにおきましては、さまざまな種類を瞬時に画像で表示させたり、個別学習ではインターネットを用いた調べ学習など学習内容の高度化、充実化が図られるものでございます。また、教員の端末では児童・生徒の取り組みの状況を見ることができるために、習熟度の低い児童・生徒により手厚い指導を行うこともできるとされております。また、先進地事例では子どもたちの学習への興味関心が高まる効果もあるとされております。 一方で、ICTはあくまでも教員が授業を行う上でのツールのひとつとして使うものであり、従来の黒板や教科書を使用した学習と組み合わせて使うことが大切であると考えております。例えば、読むことに関しましては視覚と音声から、書くことに関しましては視覚と動作から、話すことに関しましては視覚・聴覚・身ぶり手ぶりなどの動作から学習内容を習得できるものでありますので、そうした従来からの学習方法を基本としながら、有効にICTを活用していきたいと考えております。以上です。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。今ご答弁いただきました内容からも、やはりメリットと感じられる部分はたくさんあり、しっかりと有効活用していただきたいと思います。やはり1人の先生で30人の生徒の習熟度を把握するということは現状かなり難しいと感じます。ご答弁いただきましたように、ICTを活用することで先生が一人ひとりの習熟度を把握でき、手厚い指導を行える、まさにSDGsの観点でも言われている誰一人取り残さない社会の実現に一歩近づくメリットが感じられました。しかしながら、機械を使用するということで故障や破損、通信障害といったデメリットや課題も兼ね備えてます。ICTのいい部分と悪い部分をしっかりと検証しながら有効活用してください。また、ICTを活用し、聖徳太子の説いた和の精神を理解し学べる今まで以上の環境をつくっていただけることを願い、この質問を閉じさせていただきます。

3.ウイルスに対するワクチン補助について

4番(小城世督君)
ウイルスに対するワクチンの助成についてでございます。 ロタウイルスのワクチン助成など任意のワクチンに対する助成や高齢者に対するインフルエンザのワクチンを助成するなど、斑鳩町は早くから取り組まれています。子どもを持つお母様方とお話をすると、やはり非常に助かっている、と助成をしっかりと使われている方が多くおられます。助成前は経済的な事情から任意の接種、ワクチンに関して受けない方が多く、感染症にかかるリスクがありました。このような観点から、毎年インフルエンザが流行している状況の中、子どもの感染症から守る上で、町として子どもに対するインフルエンザのワクチン助成を検討されていないのでしょうか。
議長(坂口徹君)
加藤住民生活部長。
住民生活部長(加藤惠三君)
子どものインフルエンザワクチンへの助成についてのご質問でございます。予防接種法に基づかない任意予防接種は被接種者が医師と相談の上接種するかどうかを判断して接種するもので、接種費用は全額自己負担となります。 斑鳩町では、感染症の発生及び蔓延を防止するため、任意予防接種の費用を一部助成しているところです。助成の実施につきましては、町医師会の先生方にその予防接種の効果や必要性についてご意見をいただきながら検討し、平成22年4月から高齢者肺炎球菌ワクチン、平成24年4月からロタウイルスワクチン、平成26年4月から乳幼児B型肝炎ワクチン、平成27年4月からおたふく風邪ワクチン、平成30年4月から水痘ワクチンを開始しており、多くの方が助成を受けておられるというところです。 ご質問をいただいておりますインフルエンザの予防接種につきましては、予防接種法に基づく蔓延防止重症化予防のため、平成13年から、65歳以上の高齢者及び60歳以上65歳未満の人で心臓・腎臓・呼吸器の機能、または人免疫不全ウイルスによる免疫の機能に障害があり、医師が必要と認めた人に対しまして、定期接種を無料で実施しているところでございます。子どものインフルエンザ予防接種につきましては定期接種ではないため、現在助成は行っておりませんが、インフルエンザの発病を一定程度予防することや、発病後の重症化や死亡を予防することに関して、一定の効果があると言われておりますけれども、感染を完全に阻止する効果は期待できない現状でございます。 現在、本町におきましては、助成を行っております任意予防接種については終生免疫を獲得できておりますけれども、インフルエンザワクチンは終生免疫ではなく毎年の接種が必要となりますことから、現段階では小児へのインフルエンザ予防接種の助成を行うことが難しいというふうに考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。 なお、近隣で平成28年度より助成を実施されている他の団体とのインフルエンザによる学級閉鎖の令和元年度の状況を比較いたしましても、当町との差が余り見られないことから、今後も引き続き、乳幼児がインフルエンザに感染する機会をできるだけ減らす工夫について、啓発をより一層強化してまいりたいというふうに考えております。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。やはり毎年のことで難しいということや終生免疫ではないというところ、また財源確保等の難しいことは理解いたしました。しかし、子どもの場合は2回、接種しないと効果がないといわれておりまして、多子世帯にとっては非常に大きな出費となります。予防にかかるリスクと、うつすリスク、両者が考えられます。こうしたことから、中学校3年生の受験生だけであったりとか、2回のうち1回だけ助成をするなど、今後も斑鳩町として検討していただきたいと要望いたします。ご答弁いただきました中で、感染する機会をできるだけ減らす工夫とありましたが、具体的にどういったようなことをされているのか、お教え願えますでしょうか。
議長(坂口徹君)
加藤住民生活部長。
住民生活部長(加藤惠三君)
インフルエンザ感染を防ぐ工夫ということでございます。 インフルエンザ等の感染症の予防はウイルスを体内に入れないこと、もし入っても発病する可能性を低くすることが大切となっております。インフルエンザは飛沫感染や接触感染で感染するため、ウイルスを体内に入れない方法といたしましては手洗いが重要となってまいります。外出先や調理の前後、食事前などは石けんで正しい手洗い方法で洗うことが必要となります。また、発病する可能性を低くする方法といたしまして、日ごろから栄養と睡眠を十分にとり抵抗力を高めておくこと、人ごみをなるべく避けて感染の機会を減らすこと、乾燥はウイルスの働きを活発にするため屋内の湿度を50パーセントから60パーセントに保つこと、体を冷やさないこと、ストレスをためないなどの注意点があります。また、他の人にうつさない対策といたしまして、咳エチケットの徹底や症状があれば早期に医療機関を受診し、検査や治療を受けて安静に過ごし、重症化予防と他の人への感染予防に努めることが重要でございます。 また、子どもの体調は急変することも多く、かかりつけ医の推進や受診のタイミング、病院のかかり方や注意点を子育て教室や育児相談、乳児健診時に保健指導として行っているところでございます。乳児期の育児はバランスのよい食事や睡眠など、基本的な生活習慣の確立が課題となる時期でございますので、感染症予防も含めて規則正しい生活リズムの確立に向けて、今後も保健指導を実施してまいりたいと考えております。
議長(坂口徹君)
4番、小城議員。
4番(小城世督君)
ありがとうございます。現在、コロナウイルスが騒がれており、検温を目にする機会等が多くなりました。この感染症を防ぐということでインフルエンザが流行期間、流行時期に町立の幼稚園・保育園・小学校・中学校等で検温を登校・登園時に行うなどといった施策をとってみてもいいのではないかなというのを私自身感じました。しっかりと、そういったより一層保健指導をしっかりと行っていただき、感染予防に努めていただきたいと思います。斑鳩町の場合ですね、妊娠から出産、そして産後、切れ目のない子育て支援ということでしっかり訴えている町であります。しっかりとそのあたりも考えていただき、助成等、難しいところはご答弁いただきましたが、しっかりといま一度考えていただき検討していただきたいと思います。
議会で行った質問は、斑鳩町ウェブサイトに掲載されている斑鳩町議会の会議録からの抜粋となります。斑鳩町議会の詳細につきましては以下をご覧ください。
斑鳩町議会本会議会議録
今いちばん動ける男